2016年2月4日『有限会社だいはく昆布』は『大博昆布株式会社』へと組織変更をした。
大博昆布創業101年目のこと。この時こそが私にとっての本当の創業であったと今でも強く覚えている。
「自分がやるしかない」「俺がやらなきゃ誰がやるんだ」
百年以上の襷をつないでくれた先人達、今まで関わった人たちや家族への大いなる感謝の念い。
経営者として。たった一度の人生を生きる人間として。
決意をもって覚悟を決めたのがこの時であった。
思い返すのは亡くなった父親のこと。
私が20歳の時に亡くなった父親とは大人同士の付き合いが出来なかった。
社会人として、経営者としての叱咤激励も欲しかった。
そして、経営者として学び始めた中で、受け取る言葉一つ一つが全て父からの言葉のように思えた。
私が幼稚園の頃、父の仕事についていくのが好きだった。
お客様への納品に向かう時にはしょっちゅう一緒についていった。
その車中で、理由は覚えていないが父によく問いかけていた。
「うちは日本一の昆布屋なんだよね」
父は笑顔で「そうだよ」と答える。
「日本で一番の昆布屋ってことは世界で一番ってことなんだよ」
私はそこで大博昆布に対しての絶対的な肯定感を持った。
なぜならば「日本一の仕事」なのだから。
今は父の思いが少しだけ分かるような気がする。
「仕事とはたった一度の自分の人生をかけて惚れ込むに値するとても尊い素晴らしいものだ。
志を持って世のため人のために命をかけて取り組め。」
そう言ってくれたのではないか。
一生大切にすべき、仕事に対する心構えを伝えてくれていたのだと思う。
祖父が大正4年に「広く国民の健康増進に寄与する」という念いで創業した大博昆布。
父(博一)と私(大輔)で日本一の仕事をする昆布屋にする。
今までも先人たちが外部環境の変化に対応しながら100年にわたって屋号・暖簾を守ってきた。
これからも、何度でも荒波が襲ってくるだろう。
しかし、我々が大切にすることは何も変わらない。
目の前のお客様に真心を込めて尽くす。
心を動かすくらいの真心を尽くす。
「真心を尽くし、感動を創造する。」精神をもって大博昆布株式会社の経営理念と定める。